会社公認のキリスト教グループ「三井住友銀行クリスチャン・フェローシップ」の立ち上げ【2024年秋号ニュースレター】

Sam Lee

ダイバーシティ(多様性)&インクルージョン(寛容)(D&I)が急速に進んでいる会社で、クリスチャン・グループを立ち上げることができて心から感謝しています。

私の名前はサム・リーです。イギリス生まれの韓国人で、18歳の時に信仰を持ち、クリスチャンになってからの30数年間、信仰に関する様々な困難を経験してきました。私は三井住友銀行(SMBC)に9年間勤めています。その前はカナダ・ロイヤル銀行(RBC)にいました。ティエリさんと初めて会ったのは、ロンドンの聖ヘレン教会が主催した社会人のための夏キャンプでした。

告白から始めます。私は今までのキャリアの中で、外向けの福音宣教があまりにも中途半端でした。ここ数年の試練で、私は主の恵みによってこのことを確信しました。主は、職場での伝道にもっと積極的になる必要性を私の心に置かれました。(マタイ28:19 使徒17:26-27参照)コロナが明けてから私は福音に満ちたクリスマスについての記事を会社のニュースレターのために書きました。それを通して、これまで知られていなかった数名のクリスチャンの方々が私に名乗りを上げてくれました。それで、三井住友銀行のクリスチャンのグループを立ち上げたら良いのではないかと思って「SMBCクリスチャン・フェローシップ」という会社公認に基づいたグループを立ち上げました。兄弟姉妹の皆さんのお役に立てればと思い、実践的な面も含めて、どのように立ち上げたかを簡単にお話ししたいと思います。

私は特別にユニークなスキルや賜物、カリスマ性を持っているわけではなく、ただ、主が働き、私を用い、主の知恵と導きを与えてくださっていると思います。最終的には主のご計画だけを願っています。(詩篇127篇1節b参照)しかし、絶対的に重要なのは、個人的な祈りと、喜んで支えてくれる兄弟姉妹の祈りに頼ることでした!ロンドンの「シティ(金融街)」の真ん中にある聖ヘレン教会でも、ロンドン郊外にある私の地元の教会でも、祈りによって大いに支えられました。

課題

三井住友銀行(SMBC)は保守的でリスクを避ける日本の企業です。会社のD&I(多様性と寛容)チームと人事チームのシニア・メンバーに会い、パワーポイント・プレゼンテーションとともにクリスチャン・フェローシップを立ち上げたいという私の希望を伝えたところ、私はすぐに宗教団体や政治団体との提携を禁止するグローバル・ポリシーを知らされました。私は、従業員の信仰が人種や性別などよりもD&Iの観点で軽視されているのかを問うことで、常識的な根拠に基づいて異議を唱えなければならなかったのです。

それでもなお、このようなキリスト教のグループに、予算を与え、応援することには消極的でした。そこで私は、このキリスト教グループはボランティア主導であり、D&I傘下の本格的な一部ではなく、「フェローシップ」という立場であり、自己資金で運営し、D&Iチームにはリソースを要求しないことを伝えました。そして私が会社に求めていること、その最も重要なことは何かを訴えました。それは、会社がこのグループを積極的に応援するというより、むしろ、会社がキリスト教グループを容認するだけで十分であるということでした。

そこで、私が直面した反論は、会社がある特定の信仰を他の信仰よりも許容していると見られるわけにはいかないというものでした。この時点で私は、事前に法務部門と合意していた免責条項を提出しました。これには、三井住友銀行は特定の信仰を優遇しているわけではなく、すべての人がそれぞれの信仰のグループを立ち上げることを歓迎していると明記しました。私は、この免責条項は「クリスチャン・フェローシップ」のすべてのコミュニケーションに使用されることを述べました。また、クリスチャン・フェローシップから全社へ向けて、電子メールが頻繁に送信されるのではないかと危惧されていることを理解し、イントラネットのページを提供してもらい、オンライン会のためのチャンネルを開設することを許可してもらえれば、全スタッフへの電子メールは中核的なイベントの宣伝のみに限定すると言及しました。

数ヶ月にわたる妨害や障壁の影響により遅延した後、主要なD&Iスタッフが交代したこともあり、私は「禁止なし」の承認を要請することができました。また、私はもしこの申請のプロセスがさらに遅れるようであれば、D&I委員会と会社の社長にも正式な訴えをするつもりであることを述べました。

SMBCクリスチャン・フェローシップの発足

SMBC UKとヨーロッパへの最初の発表の結果、1週間以内に約70人のメンバーがグループとオンライン会のチャンネルに参加しました。それ以前、私の知るクリスチャンはたった4人でしたが、現在は90人以上の超教派のクリスチャン・メンバーが隔週でハイブリッド・ベースで集まり、聖書箇所を読み、祈り、励まし合っています。出席者は隔週で5人から20人と様々です。キリスト教入門コース(キリスト教をノンクリスチャンのために説明する6週間のコース)を社内で3回開催し、外向けのイベントも何回か行ってきました。近くにある聖ヘレン教会のクリスマス・キャロル礼拝やイースター礼拝などの「節目」のイベントや、同教会が開催するその他の伝道イベントについては、SMBCの事務所に近いこともあり、定期的に宣伝しています。また、「60秒以内で福音を表現する方法」のセッションも行っています。このような活動すべてにおいて、私たちは聖へレン教会のサポートと祈りに大変感謝しています。

私たちは今どこにいて、次に何をするのでしょうか?

キリスト教入門コースを定期的に行うことは社内で継続します。また、現在、私たちの「使命」を文書化中です。私たちの役割は、代理教会を作ることでも、中立的な『聖なる集まり』を作ることでもないと信じています。私たちの使命は、キリストのために立ち上がり、職場でキリストを知らせることでなければなりません。そのために、私たちはこのことに集中し、文書化し、事前にイベントを計画し、必要であればグループをさらに備え、励ますことによって、このことを常態化しようとしています。

また、メンバーのために三井住友銀行クリスチャン・フェローシップ(SMBC CF)のEメールの署名を作成し、イントラネットのページとオンライン会のチャンネルへのリンクを設けました。多くの人がこれを利用しており、励みになっています。また、私たちがキリスト信者であることに注目してもらい、さらなる会話を促す窓口的な方法でもあります。

更に、より広い範囲では、SMBCクリスチャン・フェローシップを単なる社会の交流会としてではなく、D&Iグループとして正式に認めてもらうために、D&Iチームとさらなる話し合いをすでに始めています。

皆さんの祈りを大切にしています。また、同じようなグループの立ち上げを検討することをお勧めします。それは可能であり、主の御心に沿うものであり、主の御業です。言うまでもありませんが、もしあなたがクリスチャン・フェローシップの立ち上げを目指したいという志を与えられたとしたら、私は喜んであなたとともに、あるいはあなたのために祈りたいと思います。また、より深く話し合いたい方がいらっしゃれば、喜んで個別にご連絡を差し上げますので、ティエリさんにお申し付けください。私の愛と祈りが皆さんに届きますように。